英検4級 冠詞

a vs an vs the 冠詞の使い分けと、つけないとき

不定冠詞・定冠詞・無冠詞

学校で習うのは「初めて出てきたら a、二回目からは the」という規則です。これは半分しか当たっていません。I went to a party. The music was terrible. — music は一度も出ていないのに the がつきます。冠詞が答えているのは「何回目か」ではなく、「どれのことか、聞き手に特定できるか」という質問ひとつです。

形

冠詞は名詞の前で何を選んでいますか?

a+数えられる名詞(単数)

a pen, a book, a good idea。数えられる名詞の単数形は、冠詞も所有格も何もつかない裸の形では文に入れません。I need pen. は文として成り立たない、というのが英語の側の感覚です。

an+母音の音で始まる語

an apple, an hour, an MBA。母音「字」ではなく母音の「音」で決まります。hour は h を読まないので an、university は /juː/ と読むので a です。

the+単数・複数・不可算のどれでも

the pen, the pens, the water。数にも可算・不可算にも縛られません。条件は形ではなく、聞き手が「どれのことか」を特定できることだけです。

複数形/数えられない名詞

I like dogs. / Music makes me happy. 種類全体を指すときと、量として捉えている物質・概念には冠詞がつきません。「つけ忘れ」ではなく、これも一つの選択です。

意味

冠詞は「どれのこと?」という質問に、先回りで答えている

英語の名詞は、聞き手の頭の中でどれを指しているかが決まるまで文に入れません。日本語は「本を買った」で済みますが、英語は a book(どれかは特定できない1冊)か the book(お互い分かっているあの1冊)か books(本というもの一般)かを先に決めないと、名詞を置くことができません。冠詞は名詞の飾りではなく、その名詞をどう指しているかの宣言です。

the の条件は「二回目」ではなく「特定できる」です。二回目に the がつくのは、一度出たから特定できるようになった結果であって、回数そのものが理由ではありません。だから初出でも特定できるなら最初から the です — the sun(1つしかない)、the kitchen(この家の、と分かる)、the man who called you(うしろの説明で絞り込まれている)。冒頭の the music も、パーティーと言った時点でそこの音楽だと分かるからです。

a は「1つの」ではなく「どれか1つの」です。I need a pen. を「ペンが1本必要だ」と訳すと数を強調しているように見えますが、実際に言っているのは「ペンならどれでもいい」ということです。数を言いたいときは one pen を使います。この違いは頼みごとの場面ではっきり出ます — Can I have a pen? は「ペンを1本ください」、Can I have the pen? は「(そこにある)そのペンを取ってください」です。

無冠詞は「つけ忘れ」ではなく、3つ目の選択肢です。数えられない名詞(water、music、information)と、種類全体を指す複数形(I like dogs.)には冠詞がつきません。by train、at school、go to bed のような句も無冠詞で、これは乗り物や建物ではなく「移動手段」「就学」「就寝」という働きのほうを指しているからです。go to the bed と言うと、特定のベッドという家具のところへ行く話になります。

a か an かは、綴りを見ても分かりません。決めるのは次の語の最初の音です。an hour は h を読まないので母音で始まり、a university は「ユー」と読むので子音の音で始まります。略語も同じで、an MBA は M を「エム」と読むから an です。迷ったら、その語を声に出したときの1音目だけを聞いてください。

例文

例文4本を、単語ごとに

a · どれでもいい1つ

中立

.

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I

/aɪ/

私

代名詞・一人称単数。文中でも必ず大文字

Rikaiに聞く

need

/niːd/

必要とする

動詞・状態を表すので進行形にしない。I am needing とは言わない

Rikaiに聞く

a

/ə/

ひとつの(不特定)

不定冠詞・数えられる名詞の単数形に付き、まだ特定されていないことを示す

Rikaiに聞く

pen

/pen/

ペン

可算名詞の単数形・裸では文に入れないので、冠詞か所有格が必ず要る

Rikaiに聞く

ペンが要ります。(どれでもいい)

the · お互い分かっている1つ

ややくだけた

?

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Can

/kən/

〜してもらえますか

助動詞・依頼に使う。Could にするとより丁寧になる

Rikaiに聞く

you

/juː/

あなた(たち)

代名詞・単数と複数が同じ形。一般論の「人は」にも使う

Rikaiに聞く

pass

/pɑːs/

手渡す

動詞・pass 人 物 の語順も取れる(pass me the salt)

Rikaiに聞く

me

/miː/

私に

代名詞の目的格・pass の間接目的語

Rikaiに聞く

the

/ðə/

その(特定できるもの)

定冠詞・話し手と聞き手の両方が「どれか」分かっているときに付く

Rikaiに聞く

salt

/sɔːlt/

塩

数えられない名詞・それでも the はつく。冠詞は数ではなく特定で決まる

Rikaiに聞く

塩を取ってもらえますか?

an · 母音の「音」の前

中立

.

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She

/ʃiː/

彼女は

代名詞・三人称単数の主格

Rikaiに聞く

waited

/ˈweɪtɪd/

待った

wait の過去形・「〜を待つ」は wait for で、for を落とせない

Rikaiに聞く

an

/ən/

ひとつの(不特定)

不定冠詞・母音の音で始まる語の前で a が an になる

Rikaiに聞く

hour

/ˈaʊə/

1時間

可算名詞・h を読まないので母音の音で始まり、a ではなく an を取る

Rikaiに聞く

彼女は1時間待った。

無冠詞 · 種類そのもの

中立

.

単語にカーソルを合わせるか、タップしてください。

Music

/ˈmjuːzɪk/

音楽

数えられない名詞・種類全体を指しているので冠詞をつけない

Rikaiに聞く

makes

/meɪks/

〜にする

動詞・make A B で「AをBの状態にする」。主語が三人称単数なので s がつく

Rikaiに聞く

me

/miː/

私を

代名詞の目的格・make の目的語

Rikaiに聞く

happy

/ˈhæpi/

うれしい

形容詞・make の目的語の状態を説明している(補語)

Rikaiに聞く

音楽を聴くと元気が出る。

決め方

名詞を置く前に、この順で1つ選ぶ

1. 聞き手はどれか特定できるか

できるなら the で確定です。一度も話に出ていなくても、1つしかないもの・状況から絞り込めるものはここに入ります。

2. 数えられて、1つか

特定できないなら、その名詞が数えられて単数かを見ます。そうなら a、次の語が母音の音で始まるなら an です。

3. それ以外は無冠詞

数えられない名詞と、種類全体を指す複数形には何もつけません。ここで a を足したくなるのが日本語話者に一番多い誤りです。

注意点

つまずきやすいところ

an は母音「字」ではなく母音「音」

an hour, an honest man, an MBA は綴りが子音字で始まっても an。逆に a university, a European country, a one-way ticket は母音字で始まっても a です。読み方の1音目だけが基準になります。

「その」を the の訳と思わない

日本語の「その」は指示語で、なくても文が成り立ちます。the は文法上の必須要素で、訳に出ないことのほうが普通です。「その本」を that book と訳し続けると、the を使うべきところが全部 that になってしまいます。

数えられない名詞に a はつかない

an information, a furniture, an advice はすべて誤りです。1つ分を言いたいときは a piece of information のように数える単位のほうを借ります。

固有名詞は原則として無冠詞

Japan, Tokyo, Mr. Tanaka には冠詞がつきません。ただし複数形や普通名詞を含む名前は例外で、the Philippines, the United States, the Japan Times のように the が要ります。

よくある質問

よくある質問

結局、a と the は何が違うのですか?

聞き手がどれのことか特定できるかどうかです。できないなら a、できるなら the。「初出か既出か」は、この特定できるかどうかが会話の中で変わっていく典型的な流れを説明しているだけで、規則そのものではありません。

初めて出てくる名詞に the をつけてもいいのですか?

はい、特定できるなら普通のことです。Close the door. はドアの話を一度もしていなくても成り立ちます。その部屋のドアだと聞き手に分かるからです。

冠詞をつけ忘れると、どのくらい伝わりませんか?

意味はたいてい伝わりますが、英語話者には強く目につきます。日本語で助詞を落とした文(「私 昨日 映画 見た」)に近い印象です。通じるけれども、書き言葉では必ず直される種類の誤りです。

a は「1つの」と訳すべきですか?

ほとんどの場合、訳さないほうが自然です。数を強調したいときの英語は one で、a はむしろ「どれでもいい」というほうに寄っています。I have a sister. を「姉が1人います」と訳すのは自然ですが、a がその1という数を言っているわけではありません。

go to school と go to the school はどう違いますか?

go to school は「通学する」で、建物ではなく学校という営みを指します。go to the school は特定の校舎まで出向くことで、保護者が面談に行く場面などがこれです。bed、hospital、church も同じ対立を持っています。

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